児童養護施設七海学園に勤めて三年目の保育士北沢春菜は、多忙な仕事に追われながらも、学園の日常に起きる不可思議な事件の解明に励んでいる。そんな慌ただしい日々に、学園の少年少女が通う高校の文化祭の日に起きた、校舎屋上からの転落事件が影を落とす。警察の見解通り、これは単なる「不慮の事故」なのか? だが、この件に先立つ春から晩秋にかけて春菜が奔走した、学園の子どもたちに関わる四つの事件に、意外な真相に繋がる重要な手掛かりが隠されていた。 鮎川哲也賞受賞作『七つの海を照らす星』に続く、清新な本格ミステリ。
七河迦南 (ななかわ かなん),東京都出身的推理作家。早稻田大學第一文學部卒業,以《七つの海を照らす星》榮獲第18回鮎川哲也賞。